子供の疑問にちゃんと答えていますか?
サクッとネットで調べるくらいのことはするかもしれませんが、一緒に勉強してやることは少ないのではないでしょうか?
知識も必要ですけど
未知のことを自ら学ぶ能力
これが児童期に養えたらいいな…なんて思いませんか?
そこで今日は。
小学5年生の疑問を一緒に検証してみた話を紹介したいと思います。
研究の動機
カタツムリが絵を描くのは絵本だけの話なのか? 調べてみたい
次女に絵本を読み聞かせていたところ、それを眺めていた長女が呟きました。
「カタツムリのネバネバ
あれで絵が描けるかもね(笑)」
よくよく彼女の話を聞いてみると、カタツムリの分泌物を使って娘が絵を描くという意味ではありませんでした。
この絵本に出てくるカタツムリは地面にハートを描くのですが、それと同様のことがリアル世界でも可能なのではないか? と長女は言うのです。(汗)
我が家のペットは、偶然にもカタツムリですし。
どうやったらカタツムリに絵を描かせることが可能か?
親子で考え、実験してみることにしました。
研究の仮説
我が家では簡単な実験を時々行うのですが、その際には「〜だから、こんな結果になるだろう」という自分なりの仮説を持たせるよう促しています。
それは正しい答えである必要はありませんから。
デタラメでもいいので意見を出させます。
カタツムリにだって絵は描ける
娘の仮説をまとめますと、以下のようになりました。
カタツムリとして生まれても
人間が誘導してあげれば絵が描ける。
彼らが這った後には、ドロドロしたものが残る。
あの粘液を人間の意図する場所で分泌させることができたら、それは絵になるのではないだろうか?
絵本に出てきたハートは難しいけれど、ポッキーや鉛筆なら描けると思う。
…だそうです。
それにしても、ポッキーって。(笑)
直線を描くだけでも作画といえるのでしょうか? (汗)
まぁ、細かいことは気にせず、「カタツムリに絵を描かせることができる」という仮説を検証するための実験をすることにしました。(笑)
かなり適当な実験
私が子供達と研究をする際には、親が1人でプレ実験をすることが多いのですが。
今回はいきなり実験をしてみました。
実験1 :カタツムリの粘液で絵を描く
まず始めに検証したのは
カタツムリの分泌物で絵を描くことができるかどうかです。
絵本のように、カタツムリのネバネバは乾いた後も残るのか?
まずは画用紙の上に彼らを這わせてみました。
用意したものは、画用紙と人参だけ。
実験方法も簡単で。
ゴールに人参を置き、カタツムリをスタート地点に置くだけです。
その結果が↓です。
少しでも面白くするため、3匹のカタツムリを使ったレースにしてみたのですが。
…実験は荒れました。(笑)
ゴールできたのは、手前の子カタツムリだけだったのです。(爆)
しかも
彼らが這った跡は残らず。
カタツムリはポッキーですら描くことはできませんでした。(笑)
実験2:カタツムリに紙を食べさせて絵を描く
なぜ カタツムリは線を描けなかったのか?
実験1の結果から疑問が湧いたので、長女とカタツムリの分泌物について組成を調べてみました。
すると、カタツムリの粘液はナメクジのそれと比べると水分が多いそうでして。
成分的にもクッキリとした這い跡が残らないのは仕方ないことが分かりました。(汗)
そこで今度は
カタツムリが絵を描く方法は、粘液を使った方法以外にないのか?
長女と話し合ってみました。
その結果、這い跡が残らないのであれば、紙を食べさせれば食べ跡が残って線が描けるのでは? なんて新たな仮説が考えつきました。(笑)
過去記事で紹介したように、カタツムリは紙が大好きです。
その嗜好を利用して目的を果たそうと考えたようです。
うちの長女もなかなかですね。(笑)
それに実験1が失敗した原因として
人参が遠すぎて好物の存在に気がつかなかったのかもしれない。
そもそも、彼らはお腹が空いていなくて人参に興味がなかった…なんて意見も出ました。
そこで次は。
それらもふまえた実験をすることにしました。
人間が画用紙に人参で絵を描き、カタツムリにそれを食べてもらう実験です。(爆)
紙に水で絵を描くつもりでしたが、人参味なら食欲が増進されるかも? なんて理由から、今回は人参をすり潰した汁を使うことにしました。
前日の夕方から当日の昼までカタツムリの餌を抜き、今度は人参の汁で描いた文字の上を這わせてみた結果が↓です。
↑ ポッキーなら描けるのでは? なんて言いつつ、画用紙に「つ」と書いた長女。
面白いですね。(笑)
お腹が空いているので、カタツムリはモリモリと紙を食べてくれましたが…。
今回もうまくいきませんでした。(悲)
長女の思惑通り人参の絞り汁で描いた文字に添って食べ歩いてくれたけれど、人参が付着している表面だけではなく、画用紙を深く掘り下げるように彼らは食事をしたのです…。
しかも、距離にしたら数センチの地点でお腹がいっぱいになってしまったようで。
実験は途中で終了してしまいました。(爆)
実験3:カタツムリをツルツルな場所で這わせ、絵を描いてみる
検証実験1の結果、カタツムリの粘液で絵を描くことが難しいことが分かりました。
そして人参汁で予め書いておけば、その上を這う可能性が高いことも分かりました。
でも、それは画用紙での話です。
従ってツルツルなものにカタツムリが這うルートを示してあげたら、何かが描けるかもしれないという意見が長女から出ました。
ただ、カタツムリの飼育ケースに彼らが這った跡が残っていないないことから、ツルツルなだけではダメなことが分かっています。
そこで カタツムリが絵を描けるような仕掛けを考えることにしました。(笑)
その実験3の結果が↓です。
なんだか汚れただけですね。(爆)
実験2の時に気がついたのですが、彼らの口は小さく、筆で描いた文字の幅よりカタツムリの食べ跡は必ず細くなると思われます。
従ってクリアファイルに太く線を描けば、人参で書いた線の中に白抜きで線を描けるかもしれないと考えたのですが…。
今回も仮説通りにはなりませんでした。(悲)
今回の研究で長女が得たもの
私達親子はカタツムリが絵を描ける条件を見つけることができませんでしたが、長女はこの研究で雑学を得ました。
長女はナメクジとカタツムリが分泌する粘液の組成が同じではないことを知り、その情報からカタツムリの体の多くは水であることを知ったのです。
そして得た知識から、彼らが雨を好む理由を自分の思考で導くことができました。
私が誘導したのもありますが(汗)
人間も朝になったら
顔によだれの跡が残っている
あれも唾液がただの水ではなく、多少の成分があって、それが乾くことで濃縮されたものだということが分かったようです。(笑)
今回の研究で得たものは、知らなくても生きていける知識だけですけど。
実験から何かを考察する知育遊びは面白いです。
さいごに
既知の事実は実験しなくても知ることができますが。
実験をすると新たな疑問が湧き、興味が広がるので楽しく学べると思います。
我が家の自由研究は簡易的ですが、世の中には本気の研究を親子で取り組んでいる家庭もあります。
↑のサイトで紹介されているような自由研究はなかなか真似できるものではありませんが、疑問に思ったことを調べたり実験してみることはお勧めしたいです。
まずは親子で日常的に探求的な学習をしていきたいものですね。
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